2010年9月25日土曜日

あなたの寝息を聞きながら

あなたの寝息を聞きながら
夜のとばりの旅に出る

ベッドランプが眩しくて
そろそろ消そうか考えて

読みかけの文庫に栞さし
サイドテーブルにそっと置く

あなたの寝息を聞きながら
静かに窓の外を見る

夏の浜辺に腰かけて
二人で数えた星の数

思い出すのがくすぐったい
優しいあなたの手の動き

あなたの寝息を聞きながら
今日の平穏を感謝する

そっと横に潜り込み
シーツの中で触れる足

ありがとう 心の中で囁いて
明日もいい日でありますように


2010年9月6日月曜日

綿あめ

ピアノのCDが余計に雰囲気を醸し出し
埃が積もり積もって大きな塊になり
マイナー音のピアノに合わせてゆっくりと踊りながら
ますます綿あめを大きくして
吹き溜めが少し陽気にさえ映るほど
暗く軽く透き通る

ふうーっと吹いたら飛んでしまうくらい
なんでもないウヤムヤナな吹き溜まりに
足を取られ蝶の羽が動かない
ここでじいっとじいっとしていたら
このままいつかイキタエルのだろうか