2010年10月24日日曜日

突然ものわかりのいい女になる

何してたの なんて聞かない
あれ誰なの なんて聞かない 
だけど知りたい 何してたの
教えてほしい あれ誰なの
喉まで出かかってる言葉を ぐいっと飲み込み
何もなかったかのように 今まで通りの振る舞い
見え隠れする あなたの裏にあるものが憎い
私がとやかく言うなんて できないんだから
ばかな私が ほんと勘違いもいいところね
それでも もしかしたらなんて 笑っちゃう
笑って笑って 情けないくらい悔しくて
それでも またあなたの前に出て行って
いつもの通り クールで対等な女になる
そんなことで ちっともメゲてないって顔で
滅茶苦茶傷ついた胸の痛みを隠しながら
今日も元気い?なんて明るい太陽のふり
ばか ばか ばか ばか と叫びたい
ねえ あれは誰なの いったい何者よ
ねえ どこで何してたの あの人と
教えて 私はあなたの何なのよ
喉に出かかってる言葉を ぐいっと飲み込み
道化の私が踊り出し ニコリと微笑み
ああ どうして
突然ものわかりのいい女になる

2010年10月21日木曜日

あなたに好きって言ってしまわないうちに

こうやって 真夜中にたったひとり
一緒に聞いたピアノナンバーを聞いていると
あの時のあなたの瞳を思い出してしまう
もう恋なんて しないと決めてたのに
どうして またこんな魔法にかかってしまったの
誰もいない部屋でふと頭に浮かぶのは
遠くの街へ帰っていったあなたのことばかり
掻き消そうと思えば思うほど 離れない
最後に軽く抱きしめてくれた胸の温もり
大きく広げた腕の中に滑り込んだ快感
行先が違う電車にお互い乗り込んでも
窓から見えるあなたに手を振り続ける私に
あなたが優しく微笑み返しているのが見えた
それが今でも脳裏に焼き付いて離れない
目を開けても目を瞑っても そこにいる
手を伸ばしても決して届かない あなた
ふと涙ぐむ私が年甲斐もなく滑稽
別々の世界へ戻っていくのが当たり前
すべては一時の心の迷いだと思い過ごそう
こんな思いにさせてくれたあなたに感謝して
若い娘みたいな甘酸っぱい胸の痛みは
誰にも見つからないよう内緒にしておこう
思いはいつかはどこかへ消えてしまうはず
そんなことはもう何回も繰り返したんだから
私の中にくすぶり始めたこの小さな炎が
大きくならないように手の中にそっと閉じ込めて
あした晴れてたら真っ青な空の下へ行って
明るい日差しの中でゆっくりと深呼吸して
この思いを揺れる外の風に流してしまおう
そう もうこれ以上手遅れにならないうちに
あなたに好きって言ってしまわないうちに