2015年7月31日金曜日

ひとりきりに

 ID:0ja4xi

あなたと私が出会ったのは
奇跡なんかじゃなく
偶然でしかない
こんなにたくさんの人間が世の中にいて
その中で自分に一番あった人なんて
探せるわけがないし
そんな人は最初からいないんだ

あなたと私は元々は他人で
そんな他人と他人が一緒に住んで
すべてをさらけ出して
それを全部受け入れて
ずうっと気があったままで
なんでも許しあえているなんて
そんなのは嘘っぱちなんだ

だから
こうやって悲しみが訪れる

がんばって
受け入れようと努力して
受けて入れてもらえると信じても

それでも
こうやって悲しみが訪れる

私はまたひとり

どこまで行っても
またここに舞い戻ってしまう

ひとりに

ひとりきりに











 

2011年8月14日日曜日

スタック

スタック

私にはよくあることだが、またスタック

天秤を取り出す

耐え忍んでもこのままでいるべきか、それともここでクイットするか

どっちが得かよく考える

実はスタックした時は、よく考えることができる程、頭が冷静ではない

でも、考えようとする自分がいる

かわいそうに

出す答えは今のところわかっている

よく考えられもせずに、このまま耐える方を選ぶ

クイットした先にある闇が怖いからだ

心臓が苦しくなって爆発しそうになりながら

それでもここに留まろうとする自分に呆れ

涙がこぼれる

囚われの身?

いや、逃げられない自分




2011年4月5日火曜日

狂おしい行間

「クイーンの曲を聞くたびに 思い出すんだ」
その一言が物語ること
それは あなたが私との過去を忘れられずにいるということ
そして あなたが私との過去を忘れられずにいるように
私もまた あなたとの過去を忘れられないでいる
困ったことに・・・
そう それは大変に困ったことだ
何故って 私はもう過去には戻れないところに来てしまったのだから

「それで あなたはいい父親なの?」
なんでそんなことを聞いてしまったのだろう
私は あなたが結婚しているかどうかさえ 知らされていなかったし
あなたは そういうことを故意に隠そうとしていた
だから そんな質問はばかげていて 
あなたが答えたくないのはわかっていた
それでも 私は敢えて聞いた
答えの内容なんてどうでもよかった
あなたが結婚していようが 子供がいようが 私にはどうでもいい
私が知りたいのは あなたがそれでも返事をくれるかどうかということ
私が知りたいのは あなたが私を思っているかどうかだけなのだから

きっと あなたは返事をくれるだろう
昔あなたが指で私にしたように
数行の無駄のない文で私を撫でるだろう
行間に見え隠れするあなたの吐息を感じながら
私は苦しくなる
あなたのすべてを想い出し
からだがフルエて動けなくなる

あなたが欲しくて

狂おしくて 

息が苦しくて

眠れない

2011年4月1日金曜日

古いメールボックス

今はほとんど使ってない昔のメールボックスに 
ジャンクメールに混じって不思議な名前があった
それがあなただって気が付くまで 
ちょっと時間がかかった
「元気?大変だよね」ってそれだけしか書いてなくて
あと一歩で消すって時に気が付いた
「大変だよね」って地震のこと?きっとね
ずっとさかのぼってメールボックスを調べたら
懐かしいやり取りがそのまま残ってた
あれから5年も経ったんだ
私が結婚する直前まで会ってたもんね
懐かしすぎて涙がでちゃうよ
楽しかったこと みんな覚えてる
一緒にボーリングしたり
ミュージカル見たり
公園でお弁当食べたり
ドンキで買い物したり
ドライブに行ったり
それからいっぱい 秘密のこと
ああ 楽しいことがたくさん蘇って
どうしていいかわからない
最後のデートは夜中のアイリッシュパブ
フィッシュアンドチップスを食べながらビールを飲んだ
あなたはいつになくひどく酔っ払ってビールをこぼした
さよならを言うのがいやで
「だって私 結婚するんだから」ってだけ言って
いつものように別れた
あれが本当の別れだったっなんてわからないように
でも 私は遠くに引っ越して 
あなたは新しい別の仕事に就いて忙しくなり
一緒に行こうって言ってた旅行も行かないまま
本当に会わなくなった 
それから あなたのことは見えない箱に仕舞ってた
ずっと今まで 
あなたのメールを見つける今日まで
箱のカギはかかったままだっただけど 
くすぐったいくらい光り輝いていたあの頃の思い出と共に
突然あなたが私に戻ってきた
ありがとう
大好きだったよ
返事を出すか わからないけど
あなたは 私の大切な人 
今でもずっと

2010年12月10日金曜日

「いつか」はあの時の今

人は 決して得られないものを思う時 悲しくなる

もう戻ってこない過去の日々を思う時 悲しくなる

若かった自分がやらなかったことを後悔しても もうあの頃には戻れない

残りの日々は刻々と狭まり 後ろを向くと軌跡はどんどん増えている

何もしなくても 何をしても 明日が今日になり 明日はすぐに過去になる

この手に残るものが何もなくても どんどん長くなる「今まで」

「いつか」 それはあの時の今なのに 未だに気が付かない

今が過去になるこの瞬間に さあ勇気を振り絞って道を造ろう

後ろのセピア色にばかり浸らない 明日の未知をまだ作れるうちに 


 

2010年11月11日木曜日

弥次郎兵衛

綱渡りの弥次郎兵衛

人に羨ましがられるようなな生活だって

いったい裏で何があるかわからない

ちょっとそこで躓いて事故にあえば転落人生

ちょっと精神衰弱で事件を起こせばすべて台無し

この手に握られた手綱

電車で

道路で

崖で

家で

どこでだって破滅は隣り合わせ

だから

ちっとも幸せじゃなんかない

反対側が常に見えている弥次郎兵衛

あなたにしがみついて幸せなふりしているだけ

こんな幸せ

あっという間に底なし沼に放り投げられる

2010年11月10日水曜日

禁断のシャボン玉

きれいでキラキラしていて
そこに美しい世界が広がっていて
夢のように輝いている
禁断の シャボン玉 
掴んだとたん 消えてしまう
手に入れたとたん 消えてしまう
あなたの やさしさ
あなたの ひとみ
あなたの くちびる
あなたの せかい
決してほしいなどと 言えない
永遠という時計の針を
先に進めたくないから
ビクビクとして
そおっと あなたの姿を見ているだけ
それしか 私には
シャボン玉を 壊さない方法が見つからない

2010年10月24日日曜日

突然ものわかりのいい女になる

何してたの なんて聞かない
あれ誰なの なんて聞かない 
だけど知りたい 何してたの
教えてほしい あれ誰なの
喉まで出かかってる言葉を ぐいっと飲み込み
何もなかったかのように 今まで通りの振る舞い
見え隠れする あなたの裏にあるものが憎い
私がとやかく言うなんて できないんだから
ばかな私が ほんと勘違いもいいところね
それでも もしかしたらなんて 笑っちゃう
笑って笑って 情けないくらい悔しくて
それでも またあなたの前に出て行って
いつもの通り クールで対等な女になる
そんなことで ちっともメゲてないって顔で
滅茶苦茶傷ついた胸の痛みを隠しながら
今日も元気い?なんて明るい太陽のふり
ばか ばか ばか ばか と叫びたい
ねえ あれは誰なの いったい何者よ
ねえ どこで何してたの あの人と
教えて 私はあなたの何なのよ
喉に出かかってる言葉を ぐいっと飲み込み
道化の私が踊り出し ニコリと微笑み
ああ どうして
突然ものわかりのいい女になる

2010年10月21日木曜日

あなたに好きって言ってしまわないうちに

こうやって 真夜中にたったひとり
一緒に聞いたピアノナンバーを聞いていると
あの時のあなたの瞳を思い出してしまう
もう恋なんて しないと決めてたのに
どうして またこんな魔法にかかってしまったの
誰もいない部屋でふと頭に浮かぶのは
遠くの街へ帰っていったあなたのことばかり
掻き消そうと思えば思うほど 離れない
最後に軽く抱きしめてくれた胸の温もり
大きく広げた腕の中に滑り込んだ快感
行先が違う電車にお互い乗り込んでも
窓から見えるあなたに手を振り続ける私に
あなたが優しく微笑み返しているのが見えた
それが今でも脳裏に焼き付いて離れない
目を開けても目を瞑っても そこにいる
手を伸ばしても決して届かない あなた
ふと涙ぐむ私が年甲斐もなく滑稽
別々の世界へ戻っていくのが当たり前
すべては一時の心の迷いだと思い過ごそう
こんな思いにさせてくれたあなたに感謝して
若い娘みたいな甘酸っぱい胸の痛みは
誰にも見つからないよう内緒にしておこう
思いはいつかはどこかへ消えてしまうはず
そんなことはもう何回も繰り返したんだから
私の中にくすぶり始めたこの小さな炎が
大きくならないように手の中にそっと閉じ込めて
あした晴れてたら真っ青な空の下へ行って
明るい日差しの中でゆっくりと深呼吸して
この思いを揺れる外の風に流してしまおう
そう もうこれ以上手遅れにならないうちに
あなたに好きって言ってしまわないうちに

2010年9月25日土曜日

あなたの寝息を聞きながら

あなたの寝息を聞きながら
夜のとばりの旅に出る

ベッドランプが眩しくて
そろそろ消そうか考えて

読みかけの文庫に栞さし
サイドテーブルにそっと置く

あなたの寝息を聞きながら
静かに窓の外を見る

夏の浜辺に腰かけて
二人で数えた星の数

思い出すのがくすぐったい
優しいあなたの手の動き

あなたの寝息を聞きながら
今日の平穏を感謝する

そっと横に潜り込み
シーツの中で触れる足

ありがとう 心の中で囁いて
明日もいい日でありますように