こうやって 真夜中にたったひとり
一緒に聞いたピアノナンバーを聞いていると
あの時のあなたの瞳を思い出してしまう
もう恋なんて しないと決めてたのに
どうして またこんな魔法にかかってしまったの
誰もいない部屋でふと頭に浮かぶのは
遠くの街へ帰っていったあなたのことばかり
掻き消そうと思えば思うほど 離れない
最後に軽く抱きしめてくれた胸の温もり
大きく広げた腕の中に滑り込んだ快感
行先が違う電車にお互い乗り込んでも
窓から見えるあなたに手を振り続ける私に
あなたが優しく微笑み返しているのが見えた
それが今でも脳裏に焼き付いて離れない
目を開けても目を瞑っても そこにいる
手を伸ばしても決して届かない あなた
ふと涙ぐむ私が年甲斐もなく滑稽
別々の世界へ戻っていくのが当たり前
すべては一時の心の迷いだと思い過ごそう
こんな思いにさせてくれたあなたに感謝して
若い娘みたいな甘酸っぱい胸の痛みは
誰にも見つからないよう内緒にしておこう
思いはいつかはどこかへ消えてしまうはず
そんなことはもう何回も繰り返したんだから
私の中にくすぶり始めたこの小さな炎が
大きくならないように手の中にそっと閉じ込めて
あした晴れてたら真っ青な空の下へ行って
明るい日差しの中でゆっくりと深呼吸して
この思いを揺れる外の風に流してしまおう
そう もうこれ以上手遅れにならないうちに
あなたに好きって言ってしまわないうちに
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